2207-09月期アニメの感想

 最近少し余裕が出てきたからまた感想書いていきたいなと思い22年7月クールアニメの総括感想を。小まめに書かないと本当にすぐに忘れるようになってしまった…。出来るだけ多くのアニメについて触れたいけど継続性を持つ方が大事なので言えることが比較的サクサク思いつく作品だけに留めてとにかく形にするのを優先する感じで。
 今期からCSのAT-Xに再び契約して視聴するようになった。当初の契約目的としては円盤が出ないBLUE REFLECTION RAY/澪の一挙放送やってくれるのでソースが確保したくてだったのだが、最新アニメも20時~24時の間に放送、作品によっては最速でやってくれるのもあったのでリアルタイム視聴が増えたのだが、やっぱり録画よりも他に見てる人も居るリアルタイム視聴は意欲的に見れた。
 昔からAT-Xの放送がMXよりも速い全国最速放送の作品はぼちぼちあったが、ここ最近はそれだけでなくU局放送作すら字幕を付けてくれる作品も数多く存在するのが自分にとってかなりありがたい放送形態となってくれている。CSスカパーの契約+AT-X自体の契約で月々2,400円ぐらい掛かるのは殆どのサブスクよりも全然高いが、ガチャや配信の投げ銭、ライブチケットとそのための遠征等が世のオタクの出費の基準になってきている事を考えるとそれらに比べればまあ別に良いかとなれる。

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 そんな訳で各作品の感想に入っていく。

・インセクトランド

 月曜の作品から思い返していくかと思ったらまずこれになったので幸先が悪いのだが、結構ショックな出来事だったのでしっかり触れておきたい。放送休止の少し前、それまでは昆虫たちの性質と性格を上手く合わせた話をやっていて、EDのドリカムの歌も素敵、等々といった具合に教育テレビとして楽しい作品だったのだが、18話「シャルロットとすずらんでんわ」で突如地球が環境汚染に悲しむ声をハナカマキリのシャルロットに届ける話をやり出して緊張が走った事で面白さが跳ね上がった。それ以降はまたいつもの話の調子に戻っていたので余計にあの話は一体なんだったんだ…という気持ちが強くなる。監督もゲッターロボアークの川越淳さんなので最後にまた壮大な話になるんじゃないかと目が離せなかっただけに、打ち切りは非常に勿体ない…。
 これについてあまり触れるとややこしくなるが、SNSとの相乗効果で人の思想を加速させすぎるので最近写真週刊誌は滅ぼさないといけないんじゃないかと思っています。

・転生賢者の異世界ライフ 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜

 どうしても7話の超省力回については触れておきたいなあ。同じ日にBS11でACCA再放送をやっていて、8話で小嶋監督が絵コンテ・演出・一人作画監督総作画監督無し)で非常にハイクオリティな画面の回をやっているし、転生賢者自体11話の戦闘はエフェクトの作画もその色使いもオリジナリティがあってそれだけの力がある人が作っているのがハッキリ分かるだけに、余計に勿体ない。そりゃ勿論、そこまでのクオリティのモノにするのは大変な労力を要するのは分かるけど、だからと言ってあそこまで間を考える事を捨てたコンテは楽をしてるんじゃなくて手を抜いていると感じてしまった。

カードファイト!! ヴァンガード will+Dress

 シリーズがキネマシトラス制作になってからの前作、overDressを見るのを途中で諦めてしまって情けないのだが、今作からでもまた見ていくかと飛び込んだ結果、今期上位に来るぐらい楽しかったと思う。overDressは正直ほとんどのキャラに魅力を感じられず、特に女子のメグミとトマリのキャラが堅い印象だったのだが、will+Dressは新キャラの羽根山ウララさんが可愛い。

 わざとらしい萌えぶり口調とリアクションばかりなのに全部ハマっていて、凄い可愛かった…。
 あと、絶対王者的キャラの廻間ミチルをSnow Man佐久間大介君が演じているのだが、ラヴィットの影響ですっかり佐久間君のオタクとなってしまっている自分としては非常に嬉しかった。佐久間君自身もアフレコを上手くやってるし(ブラクロで既にアフレコ経験はある)・かつキャスティング側も本職でない人間でも上手く機能するようにダウナーめのキャラにしたんだろうなという双方の尽力具合が良かった。

 佐久間君、ウユニ塩湖の話題を出すぐらいには「他人の感想も見てるオタク」なのでなんか信頼出来るな…って思ってるんですよね。(まあそれがコロッと騙されてるだけかもしれんが)
 他にもキネマの盾の勇者1期の人らが多いから作画が良いとか、止めのアップを多用するけど物凄く迫力のある上手いコンテで、前述した転生賢者の省エネを褒めていた人たちはこっちも見て欲しいなとなったのですが、本作が他よりも圧倒的に良かったのは音響効果の腕前だと思う。
 本作はボーカル付きBGMも多いのだけど、これの使い方がまーーー上手い。他のアニメでもOPEDを本編中に流したり、有名どころだと澤野サウンドだったりを使って盛り上げる演出はよくあるけど、それだと曲の主張が強くなってしまうのに対して、この作品ではあくまでBGMとして支える仕事に徹しているのが凄く達者だった。特に5話の羽根山ウララさんと御薬袋ミレイさんのファイトで、畳みかけるウララさんのテンションと共に上がるBGMの音量、そこから負けを悟ったミレイさんの落ち着いたモノローグになると今度はその間も喋るウララさんとボーカルのBGMはわずかに絞られる個々の音量のアップダウンがめちゃくちゃ気持ち良い。モノローグ・裏で聞こえている発声台詞・ボーカルBGMの3つが完璧なハーモニーになっていた。自分もこの功績がどのポジションの人になるのかあんまりよく分かって無いが、いわゆるミキサーという役職で、多分will+Dressではこのミュージックミックスエンジニアの人になるのだろうか…間違ってたらごめんなさい。


オーバーロード(4期)

 OPは毎度お決まりのOxT曲なんだけど、映像と相まって今までのシリーズで一番良かったと思う。本編も強敵の出現に加えて今までのシリーズ以上にアインズ様の仲間の名前が出て来て昔を懐かしむシーンも多く、今度こそ元プレイヤーが現れるか…?という緊張感が展開に期待する気持ちを強めてくれた。
 とはいえまだまだ戦闘力に余裕のある圧倒的強者なのだから、矜持を持った善人とその関係者は生かしてあげてもいいのに…というのは相変わらず悲しかった。
 最終話で計画がついに成功したラナー様が突然歌い踊り出す所はあまりにも急で大笑いしてしまった。2期からずっとやっていた画策はラナー様の手引きであり、それが成就したからそこまでの感動もひとしおなのは分かるが、目的が意外とシンプルなヤンデレだったのはびっくりした。

・オリエント(2期)

 1期の時からなんだか変なアニメだったが、2期はその「変さ」をしっかり長所として伸ばしていき、他では決して味わう事の出来ない唯一無二のアニメになっていたと思う。人間たちが協力し合い刀気を繋ぎ合わせて集団で力を発揮するシステムがとにかくバトルモノと食い合わせの悪い設定となっており、一人では何もできないと思ったら別の場所では1対1でも強い武士が出てきてこの作品における戦闘力で大事な要素はどれなんだと主張が行ったり来たりする上に、協力する事自体にハードルを設けてしまいギスギスしながら刀気を繋げって連呼して学生の文化祭みたいなノリで戦ってる、等のチグハグが面白くてしょうがなかった。
 なんだかあまり褒めてないように見えるが、バトルの時に程よくギャグも入るのでギスギスしてるのも楽しんでしまって良いんじゃないかとなれる作品だった。人間キャラよりも鬼神の方がBL作画がキマっていてかなりカッコ良くなっている珍しい作りなのもまた面白い。

東京ミュウミュウ にゅ~♡

 オリジナルである00年代初期のノリそのままで令和に再誕したアニメ。好きな女の子に首輪を付けたがる男子側の主役・青山君や女の子たちに無断で動物の遺伝子を打ち込み改造人間として戦わせる白金とか倫理観がオカシイキャラばかりだが、これこそが少女漫画アニメの醍醐味だよなと懐かしい気持ちになれた。特に白金は中村悠一さんにしては最近では珍しいポジションで起用されており、しゅごキャラを思い出すようなヒロインにとってはいけ好かない(視聴者的にはヒロインを好きと分かる)イケメン枠なのが良かった。分割で2期を放送する制作のスケジュールに配慮した作りな所だけは令和っぽい。

・継母の連れ子が元カノだった

 サバサバしてるけどボディタッチが多くえっちなワードも気にせず口に出す主人公がめっちゃ好きな巨乳ヒロインでCVが富田美憂さんの東頭いさなさん、自分が中高生の時に出会いたかった…、そんな気持ちが何よりも強い。まるで中高生の時に出会ってたら落ちてるだろうけど今は大丈夫っすよ?と言ってるように聞こえるが多分そんな事は無く普通に好きだな…って思いながら見てた気がする。
 メインである水斗君と結女さんの互いのアプローチがずっと変で馴染まなかったのだが、お互いに人づきあいが苦手な臆病同士で、お互いに今でも好きなのに家族になってしまった者同士なんだからアプローチも変になるという納得が最後にあったのは良かったと思う。ED曲は今期アニメの中で結構好きな方。

・新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP
 
最終話リョーマ対プランス戦で、リターンエースを得意とするプランスにリョーマもリターンで対抗するのが良いだけでなく、最後にプランスが反則負けになってでもラケットを重ねて打ち返そうとする(ラケットを取りに戻ってる時間があるわけねーだろというのはさておき)のが見事だった。これまでのトンデモ技の数々には正直そこまでネタ要素としての魅力を感じておらず、最早ルールどうなっているんだと思いたくなる所だったのだが、それすらも利用してくるとは。
 そうして反則負け確定になってもそこで終わらず、リターンしたプランスの球をリョーマが初期からの得意技であるCOOLドライブで返して真に勝利を収めるのが最後まで王道少年漫画らしい展開で熱い。アメリカ代表に飛び込んだ際のリョーマが跳躍力を長所とするドゥドゥにあくまで上を超えて勝とうとする所とかも良かった。

メイドインアビス 烈日の黄金郷

 間違いなくハイクオリティで変な所一個も無いんだけどそういえばあまり何か語るほどの感想を抱いて無いな…?となっており困った。とはいえ全く触れない程に退屈してる訳でも無く。欲望の揺籃や価値のルールがあまり頭に入っておらずだったせいかもしれない。倫理観がヤバイ奴が居ても、リコもある種同様の真理を求めるキャラなのは第5層の映画との一貫性というより焼き直しに感じてしまった所も少しあるか。綺麗に終わったように見えるが死屍累々なのは作品らしくて面白い。OP映像の素晴らしさは今期随一だった、小出卓史万歳。

異世界迷宮でハーレムを

 今期のお色気、っていうか実質18禁枠。AT-Xで規制無しで見れたので地上波・BS組の感想とは異なるかもしれないが、とりあえず従順な奴隷を手に入れて尚ダンジョン攻略に励む道夫さんの勤勉さが面白いのは共通の感想っぽい。なんでこんな事になってるんだろうと面白く見てたが、どうも原作からしてそういう味だったようだ。むしろ2話で少しでもヒロインズを先取りしたのはアニメ側の配慮だったのか。
 OPED共に歌声が外れてるみたいになっていて、レコード会社の音源の調整があまりうまくやれてなかったんじゃないかと思っている。

・シャインポスト

 まあまだ終わってないけど、来期の感想に回すと触れずにスルーしてしまいそうなので。及川監督のこれまでの作品は大好きだしモブにくどいギャグやらせるのも自分は好きな方なのでその監督がアイドルモノやるとなると非常に期待していたのだがあまりハマってない。ずっと同じレッスン室にいるゆきもじが実は真TINGSのメンバーで脱けていた理由は主人公・春の圧倒的な才能に食らいつくためという真実の発覚は、アニメを見てる側がそれまで得てきた情報から見れば驚きの、パズルのピースがハマるような開示の仕方だと思うが、当事者たちからしたらもっと理由を知るために話し合うから不自然だろうとなる気持ちが強かった

Shenmue the Animation

 海外先行、日本でも配信が4月からやっていたのだけどテレビ放送に流れて来てくれたので今期見ていた。OPは伊東歌詞太郎さん。一時のオーイシマサヨシさんのようなハイペース起用ながらクオリティの高さを保っている中でも、今作の「UNDEAD-NOID」はかなり好きな曲。
 本編はと言うと、問題が発生したので解決のための手がかりを探して人に話しかけると「〇〇に行ってみなさい」と言われるのでそこへ向かったら強敵が襲って来てそれを撃退→そこで得た手がかりからまた次の行先でヒント集めとバトルの繰り返しという、いかにもゲームのお使いイベントをアニメにしたみたいなストーリー。…でありながらそれが退屈でなく、むしろスピード解決、スピード進行なので非常に見やすい作りとなっていて面白かった。まあ最終回でも父親の仇との決着はつかないまま、またしても次はどこどこを目指しなさいと言われたのは流石に笑ったが。どうやらゲームの展開通りのようだが続きちゃんと作られるんだろうか。

サマータイムレンダ
 OLM児島プロデューサー渡辺歩監督松元美季さんキャラデザアニメという事で最初からかなり絵的な面で期待していた作品。サスペンスホラー風味な影の存在のほのめかしから始まり、しれっとジャンプ的な能力バトルにテンション上げて移行していたのが面白かった。自分はそこそこ~ぐらいのハマりようだったけど綺麗に駆け抜けて完結までやりきったくれる作品自体最近は貴重なので良かった。
 最終話の花火の光に当たる潮の髪に数色の色を使い分けるのとかトレンドかつ最先端の表現感ありますね。


・よふかしのうた

 中学生にとっての深夜(まあ作中だとこれまだ8時ぐらいじゃない?と思うタイミングもあったが)に活動する事の全能感と吸血鬼という超常の存在にいざなわれる世界の広がりをリンクさせてる設定が良かった。
 コトヤマ先生のデザインがあまり他に類を見ないタイプなので代わる代わる色んなヒロイン(男の娘含む)からアプローチを掛けられるの凄い性癖曲がりそう。鶯餡子さんとか中々他のアニメで拝めないキャラしている。

・ちみも

 素晴らしい。設定が面白い、ギャグが面白い、登場する人間たちが可愛い、ちみもが可愛い、画面レイアウトが良い、動きや表情のバリエーションにアイデアがある、全部良かったと思う。特に構成でもあるうえのきみこさん脚本回が光っていた。15分の単発話でうまくオチを着けるのも上手いし、6話のAパートBパートのように1話の中で反転する内容からの天丼でまたオチるのも見事だった。
 キャラデザの堤舞さんが描いている漫画版も不条理ギャグとしての間が絶妙で面白かったし、ゲーセンプライズでちみものデカクッションをゲットして可愛がるなど、アニメ外の体験も良き思い出となっている。
 最終話、Aパートの人間界に生きる人たちを想い必死に行動する地獄さんも、Bパートでその地獄さんを送り返してあげる鬼神家の3姉妹たちの優しさにもしっかり泣いてしまった。鬼神めいさんが特に別れを寂しそうにしてるの、一番幼いというだけでも理由が付くが、父親についてほぼ触れてない所に起因してそうな余情が感じられて素晴らしい。もはや今更再評価する必要のないトップクラスの人なのだが、前の週のオーコメで諏訪部さんがちみもの声まで演じている幅の広さを明かされた上で見ると、最終話の地獄さん自身の感情のこもった演技が上手さを尚の事感じられた。

 そんな大感動で最終回を迎えた翌日、驚愕の事実が明らかに。最速テレ東の翌日でなくBSでも放送のあった翌日に明かしてくれてありがとうございます…。今までもゆるふわなギャグもやってきたけどちみものノリは全然作風違うと思ったのだが、確かにこのラストの尺消化はそうだった。


・彼女お借りします(2期)

 ハイパー平山寛菜さん美麗デザイン堪能アニメ。今の時代一人総作画監督というだけでも凄いのに1期2期ともに全カット目を通してるのは驚愕だった。平山さん自身もそれをやり遂げる制作も凄い。3期でも同じようにやってくれますように…。OPの作画面子がやたら豪華なのはこういう作画体制の整い具合とか平山さんの実力を信頼して集まって来てくれたのかなと勝手に考えている。
 2期は全然家族が出てこなくて単にヒロインが可愛いだけのパートが続くから1期より全然楽しいなーと思ってたら終盤はまた祖母の話になってしまい、まず仏壇に挨拶するだ酒を飲める年だどうこうが人間として・彼女としての優劣になっていたのが本当に辛かった。設定の時点で失敗してる気はするが、AKB49の作画、22/7アニメの原案ネーム担当の宮島先生の作品なので応援はしたい。

・シャドウバースF

 通年アニメなので終わっても無ければ今期に始まってる訳でも無いのだが、21~22話が非常に盛り上がったので触れておく。普段百合を避けがちなくせにここぞとばかりにこういう言い方をするのは良くないと思いつつ、ツバサとレンのバトル→お泊り回の流れは、流石女女アニメをやらせたら並ぶ猛者の居ないシャドウバースシリーズと言いたくなる内容であった。先輩後輩でカードバトルを終えて仲良くなりました、ED流しつつ先輩がウチ泊まってく?みたいな事まで言ったらそこで十分オチて次週また別の話をやっても全然おかしくないのに、そのままお泊り回に続くんだから恐ろしい。
 脚本だけでなく作画、演出もしっかりこだわりが感じられた。フットライト作画と撮処理、その光に合わせたハイライトの色付け等、各セクションを組み合わせる総合的なプランあっての画面だったのが良かった。ツバサさんの髪のカーブを描くのが楽しくて、思わずアイコンにもしました(このブログを書いている現在時点)。

 10月からの新EDではヒロインズだけの映像になってますます女の子を描きたい欲が出て来てるぞ!

・ラブオールプレー

 2クールやり遂げて完結。シリーズ構成が途中で降りてその後は委員会が構成扱いな影響は見ていてもなんとなくキャラの立たせ方とかに序盤とのバラつきが感じられて、特にこれと言って何もしない無能みたいになってる海老原先生がその煽りを受けてしまっていた気がするが、ラスト2話の話の決着の付け方、最終話の作画の気合の入りようで見続けていて良かったと思える名作になっていた。亮の姉・里佳のような家族キャラの描き方はこうした深夜でない時間帯のアニメでないと中々出来ないだけに、しっかり独自性があったと思う。

アオアシ

 うおおおおお一条花さん萌えすぎる!!!!…これに尽きる。勿論サッカー描写だけで見ても上位に来る位にはレベルが高く、主人公が司令塔として後方のサイドバックで機能している展開も良かったんだが、それらを全部上書きする形で最強ヒロインが出てくるたびに毎度活躍していると思っていたら最終話のラストシーンで究極最強のヒロインに進化を遂げたのであっぱれなアニメだった。そもそもこの今期アニメ感想を書き始めたのがアオアシ最終回の直後からで、もとから丁度感想を再開しようとは思っていたのだがなんとしても一条花さんの事を記録に残すぞ!!!という気持ちがマックスになったので手を付けた経緯があったりする。それほどまでのパワーがあった。

 最終話ラスト、不意の一条花さんからのキスにテンションが上がっている所で流れ始める第2クールED「カラー・リリィの恋文」。これまで毎週聞いていて良いEDだな、ずっと一条花さんも映ってて可愛いし…と思っていたのに、ラストのこのシーンを直球で作詞した歌である事が明らかになり脳にとんでもない衝撃が走った。例えばシン・ウルトラマンの主題歌M八七のようにタイアップでも作品全体のテーマを包括する解釈の曲なら作るのが可能なのはまだ分かるが、最終話のここのシーンのために普段からアニソン専門でも無いバンドの人たちに作詞を依頼するってそんな事が可能なのか???そこまでラスト1分程度のシーンに全力を注げるものなのか????という腹の据わり具合に驚愕を禁じ得ない。
 しかもスタッフクレジットを冒頭のOPに載せてしまう事でEDはノンクレジットとなっており、一条花さんの過ごす日々を描いたこの映像は本編の一部であるという主張がより強調されていた。映像自体に一切手を加えずに、EDの持つ意味合いをここまで変える事が出来たのかと、新たな表現方法に立ち会えた気持ち良さすら感じられた見事なアイデアだったと思う。
 これの更に凄い所が「OP中にスタッフクレジットを載せる」のは前話でも既にやっていて、この時は単にEDがカットされて本編尺が長かったのだがそれが振りになっていた事だろう。最終回のOPでもスタッフクレジットが表示され、「今週も先週に続いてED無しか、まあ最終回だしな」と思わせておいてEDが流れ出し、前述の一条花真実をお見せさせられるので余計に虚を突かれる形となった。そもそもEDの歌詞を最終回のシーンに合わせて作ってもらうハードルが高すぎるので、もしかしたらもう二度と見る事は無い演出かもしれない。

 …と、ここまで語っておいてなんだが2クール目OP映像の素晴らしさもどうせなら書いておきたい。

 作画や美術の美しさもさることながら、カメラワークや撮影光の差し込みが抜群に上手く、ここまで現実のカメラで撮影したような映像になっているのは凄い技術だなと思った。基本的に多くのアニメのカットは実写で撮った画面を意識しているものではあるが、その極致の一つかもしれない。ハンディブレとTUなどの組み合わせにより実際に撮影した記録映像のようになっており、葦人たちの過ごしてきた日々を見れた気持ちになれた。
 あと、完全に話が脱線するが最後の武蔵野蹴球団ユース戦はグラウンドのモデルが横河電機のグラウンドだったので制作しているプロダクションIGとは目と鼻の先であり、取材しやすそうだなと笑ってた。



・神クズ☆アイドル

 ずっと前から読んでいる大好きすぎる作品でずっとアニメ化しろと言い張っていたもののホントに出来るとは思ってなかったし、コメディベースなので上手く調理されないと大すべりしてしまうんじゃないか…と放送が始まるまではハラハラしていた。原作では最初ずっと1曲だけしか持ち歌が無いような規模のアイドル活動をしているZINGSなのになんかエイベックス主導で放送前からやたら楽曲が豊富な方向にやる気があるのも不安要素だったし…。だがいざ始まってみればものすごく原作の事を考えて1クールでテーマを伝えるための構成、スローペースな原作消化率でも違和感のない台詞の補完が見事で本当にうれしかった。
 オタクの飲み屋パートでお決まりの空気を作りつつ、毎度そのパートを入れる事に拘って引き延ばしすぎになりそうなら必要ない回はやらない身の軽さも良い。この作品の面白さの肝はオタクにあるけど、テーマの核はアイドル達の方にあるのを外さなかったのが偉い…。
 というか、原作を何度も何度も読み返していた割にアサヒちゃんの生き死にと仁淀の辞める辞めないがシリアスに結びついているのを考えていなかったので、そこを気づかせてくれたアニメに大感謝している。ちゃんと原作を尊重してくれるだろうか等と偉そうに心配していたがむしろアニメに教えて頂く形となった。周年ライブでオタクが仁淀君は生きてるだけで偉いよと涙しながら叫んでいる姿が、ここまで心に響くシーンになるとは思ってもおらず、幸せなアニメ化であった。

・黒の召喚士

 内山君演じる主人公が多くのヒロインたちに囲まれるアニメは…楽しい!2話のジェラール戦は基本的にCGで描かれていたが飛ばないスタイルの戦闘でその方式なのは珍しく、コンテもカメラワークも面白かった(逆に最終話の戦闘はよくある飛びながら戦うCGのコンテっぽいなと思った)。そのままズバリサントラのタイトルにもなるぐらい主人公がバトルジャンキーなキャラなのを全面に推すのも珍しく、数多く存在する異世界転生とかその手のジャンルにおいてもしっかり独自性を確立していた。

リコリスリコイル

 漫画家のいみぎむる先生がキャラ原案でなくアニメーションキャラクターデザインまで担当しても成立させられるA-1 Picturesの地力の強さを見せられた。まあキャラにも話にも全くノっておらず絵と音楽が盛り上げているというよりは絵と音楽が良いから騙せてるみたいに自分は感じてしまっていたが、憤るほどに設定や展開の変な所が納得行かない訳でも無い…ぐらいの距離感だった。

シュート! Goal to the Future

 大元の原作に触れたのは高校時代に部活の部室で誰が持ってきたか分からないがとにかく置いてあったので読んだ…みたいな遠い過去の出来事だが、結構面白かっただけに最初はまあまあ戸惑って見ていた(「変さ」を面白がる程では無かった)。ただ3話と5話辺りで見られたサッカー作画が中々他のアニメでは見ないリアルな動きであり、キャラの顔等が整っていないにしても相当な手間の掛かったこの作画をやるアニメ、ただ者でない…!みたいな気持ちが高まっていく。

 最初の先輩チームのパスした際にカメラが動くタイミングの上手さ、昴流がボールをカットした後のフェイントの体重移動と視線移動の分け方、横パスを出す軽い足捌きどれをとってもめちゃくちゃ良い。モーションキャプチャーしていたとしても、このカメラワークに合わせてCGをセットした動画を作った上で下敷きにし、それを原画に起こすのだからかなり大変だっただろう。
 そうして作品の持つポテンシャルとジョーを筆頭にキャラクターのエネルギーに引っ張られどんどんハマっていき終盤は原作のサッカー好きか?の名言を基にしたテーマにちゃんと回帰した名作だったと思う。オリジナルの主人公であるトシの出番を引っ張りに引っ張って最後のきっかけとなるタイミングで秀人の前に現れたのも良かった。神谷監督は最初部員を引き留めたいのか辞めるなら辞めろと突き放したいのかあまりよく分からなかったけど、段々チームの一員となってきたところで合宿回で完全に良い監督になり、最後は名監督にまで上り詰めていた。神谷さんというより監督と呼びたい気持ちが強くなっていたのは本当に作品として成功だと思う。…同じ原作のメインキャラである白石はなんで最後に存在ほのめかすだけで姿を現さなかったんだろう。

・Engage Kiss

 丸戸先生の前作・冴えカノについて自分はヒロインだけでなく倫理君の事もちゃんと好きだったので元から期待していたが、ま~見事な設定の立て方とその回収の仕方でしたね。しかも記憶を忘れていくのが辛いと思ったら遂に知った真実は母親が悪魔だった事と、キサラが代わりに記憶を失うも手に書いたメモを基に戦う等、設定を活かした上で2回3回とどんでん返しをしているので凄い。
 とはいえ萌えは最後に本格登場した妹・カンナが全部持って行ったかなと思っているが。少しキャラの色味が白飛びがちな画面だったので、黒系の髪で落ち着いたカンナの色味はデザインとマッチしてて可愛かった。ラストにヒロインの言動を監視する重たい系妹に収まるのも他キャラクターとの関係を保ちつつ隙間を縫うようなコントロールで丸戸先生の技術の高さを感じられた。

・Extreme Hearts

 序盤はそこまで関係のないアイドルとスポーツの複合、かつスポーツはギアを使うという所にあんまりハマっていなかったのだけど、スポーツはスポーツ、アイドルのライブはライブでどちらもコンテが良いし、スピード感ある展開にする事で複数の競技をこなしてもスルスルと気持ちよく見れた。色んな競技もやるしライブも基本的には作画、そもそもめちゃくちゃキャラ多くて設定からして大変なんじゃないか、どうやって作ってるの?と思ったら普通に大変なのを乗り越えて作り上げたっぽい。凄い。
 まあ見た人全員が全員そう思ってるだろうけど最終回が秀逸で、キングレコードが制作委員会としてメインを占めてそうな枠だけど、ああして展開のために音源と違う歌い方で使用できる事自体もそうして出来た映像も素晴らしかった。今までアイドルだった子がスポーツの世界に飛び込みがむしゃらにやってきてようやく大きな箱でのライブを迎えてついに感極まる、という流れが良すぎる。
 RISEよりも先に出番のあったMay-Beeのライブの方がキャリアもあるのでダンスのクオリティ自体は高いモノになっている誤魔化しの無さや、舞台に上がれないノノとプレイヤーロボットの事もちゃんと紹介する心配りなど非常に細かく、スポーツモノやアイドルモノジャンルをやりたいのでは無くその世界に生きる人間をしっかり描こうとしてるんだなあと好感を持てた。

カッコウの許嫁

 2クール見届けて、全く問題が解決してはいないし進展もあった気がしないが、最終的にはヒロインズが3人とも可愛いし最終話で天野さんがいつか幸せな家族が出来るのかなと言ってるのがちゃんとテーマとしてまとまった気がする、と結構温かな気持ちで見終える事が出来た。…天野父が最低な事に変わりないし最終話で突如出てきた新たなヒロインの説明も無くなんか騙されてるだけかもしれないが、騙されて困るほどにストーリーに期待を寄せていた訳じゃないのでこれで良かったと思う。
 小原好美さんの演じる妹、というのがそれだけで重要文化財になりえる素晴らしさなだけに、なんでこれまでそういうキャラがあてがわれなかったんだと思った。

異世界薬局

 ディオメディア制作・渡航先生シリーズ構成作品3作目。俺ガイル1期のOVAで初めてアニメの脚本を務めたが明らかに脚本でなく作家としてラノベでお出しする台詞になっていた頃から比べるとあまりにもアニメの脚本が上手くなっていて感動する。
 最後は駆け足気味に圧倒的な能力で押し切ってバトルに勝つし病気もその奇跡で防ぐことが出来たというのは都合がいいが、そこに至るまでは力を持っていても拡がり続ける病にはどうする事も出来ないもどかしさが他の転生モノ以上に重みが出ていたように思う。

・ルミナスウィッチーズ

 佐伯昭志監督…一生ついて行きます…。ヴァンガードアオアシ等で長々と感想を語ったけど、やっぱり今期一番は1話からずっと最高だったルミナスかなあと。
 何と言っても素晴らしいのが圧倒的な構成・脚本力の高さ。これまでも佐伯監督は単話でウィッチシリーズに関わってきたことがあるとはいえ、ここまで最初から自分のモノみたいな設定の拾い方や過去作との絡め方が出来るものなのかと。同時代のサーニャとの交信や、各地でのライブの予定が終わった所でガリアが解放され話が進む転換のし方など、全てが上手すぎる。つぶやきを見ていての何となくの推測だけど島田フミカネ先生たちオリジナルのスタッフも設定に対して真剣に向き合っていたから出来たようで幸せな作品だ…。
 半端な視聴者だったのでこれまでのシリーズ見ていても使い魔って今まで居たんだ…ぐらいの認識だったのだが、それすらもウィッチシリーズ世界に住む魔力の無い人間たちと同種の気持ちにさせてくれるかのようになっていたと思う。
 一連の物語づくりという意味での脚本の良さだけでなく、台詞のチョイスの的確さが抜きん出ていた。ここまでの完成された話の流れが出来上がっていればもう感情としては伝わるのだから後はそれに沿ったコンテであれば十分感動できるモノになっていただろうのに、話数の中の一番良いシーンで言わせる台詞単体が毎回正解を突きつけてくる。

 けして大げさに言っているパワーワードが面白いとかではなく、当人たちの心からの気持ちを素直に表現している台詞で、ここまで芯を食った台詞が出せるなんて。毎回見た後に涙が流れると共に優しい気持ちになれるアニメだった…。ついでに佐伯監督の過去作・放課後のプレアデスもまた観返したい…。

〇あとがき

 コロナの影響などもありまだ終わっていないアニメについて感想を書いてしまったりまだ終わって無いから感想も書かずに済ませてしまったモノがあるが、既に新アニメも始まってしまったのでとりあえず投稿した。7月期は今まで以上に脱落する事無くアニメを見れた気がしたから一応他にも見ていた・現在進行形で毎週見ている作品をメモ。

・月曜:ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season、ACCA13区監察課(再放送とOVA)、昭和元禄落語心中 助六再び篇(再放送)、風都探偵、ユーレイデコ
・火曜:金装のヴェルメイユ
・水曜:咲うアルスノトリア すんっ!、異世界おじさん、
・木曜:はたらく魔王さま!!(第2期)、邪神ちゃんドロップキックX
・金曜:ブッチギレ!、シャドーハウス 2nd Season、惑星のさみだれ、プリマドール、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV、それでも歩は寄せてくる
・土曜:ダイの大冒険、キングダム(4期)、てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!、うたわれるもの 二人の白皇、最近雇ったメイドが怪しい
・日曜:遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!、デリシャスパーティ♡プリキュアデジモンゴーストゲーム、ワッチャプリマジ!、ラブライブ!スーパースター!! 第2期、ハナビちゃんは遅れがち、組長娘と世話係、RWBY 氷雪帝国、森のくまさん、冬眠中。

・劇場版アニメ:映画ゆるキャン△、映画バクテン!!、神々の山嶺GのレコンギスタⅣ、GのレコンギスタⅤ、ONE PIECE FILM RED、雨を告げる漂流団地

 この他にドラマで暴太郎戦隊ドンブラザーズ、鎌倉殿の13人、2gether、バラエティで月~金のラヴィットの冒頭コーナー、さんまのお笑い向上委員会千原ジュニアの座王は最低でも毎週見てる訳で、ヤバ…こいつマジで暇人じゃん…。


 10月期は大作やスタッフ的に気になる作品がいくつもあるが、その中でも自分はアイドリッシュセブン Third BEAT! 第2クールに全ツッパしていくから皆も見てくれ!!!(切望)

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