アニメ見た備忘録_221107_アイドリッシュセブンThird BEAT!_19話

 最高の面白アニメことアイドリッシュセブン Third BEAT!。とはいえ2クール目は今の所そこまでノれていないまま見ていた。1クール目の4話、5話、8話のようなキレのある脚本・コンテ(特に4話と8話のあおきえいさんコンテ)に並ぶ話はまだ拝めていない。勿論龍之介ソロとTRIGGERの2回に亘って行われたライブ等は別所監督自らコンテを切っているだけにやはり光るものがあるのだが、まだ改心した訳でも無いZOOLがメインEDを担当している事のモヤっとした想い等も作用して、見てるこっち側にエンジンがかかり切っていない。

 ただ最新19話(2クール目6話)で出てきた台詞に結構来るものがあったので折角だしその話を。ヘッダーを兼ねてる画像がモブ女子さんなのはアイドルとそのファンの関係の話だから…というのは完全に後付けで、TLの人をサムネで釣れそうだったからです。可愛い。

 最新19話の何が良かったかというと、トラブルに巻き込まれこれまで活動してきた事務所を辞めざるを得なくなったTRIGGERが、ゼロから再始動するにあたって「理想のアイドルってなんですか?」という疑問を抱いた際に、マネージャーの姉鷺さんが即答した発言が素晴らしかったという話。

姉鷺「終わらないアイドルよ。アイドルは夢なの、夢の終わりなんて誰も見たくない。あなたたちがステージにマイクを置いてライトの下でお辞儀して、さよならを言う所なんて見たくないのよ。
 伝説なんていう賞賛よりも、ある日突然姿を消したりしないアイドルの方が良いの。顔に傷があったって、声が出なくたって良い。終わらないでくれたらそれで良いのよ。
 だけど、その夢を叶えるのが一番難しい。

 この台詞を聞いた直後は、現実でタッキーがジャニーズ事務所を去り(アイドルでなく経営者として)、King & Princeが空中分解してしまい、中居君ですら1か月の休養が必要になってしまったというここ数日の出来事にクリティカルヒットしてそっちに気を取られてしまったが、冷静に考えると作品にとって非常に核心に迫る事を言っているなあと思った。

 要するに、この作品のアイドルたちの目指すゴールは、一番人気のアイドルになる事以上に(勿論それも目指してるが全グループの共通ゴールは)本気で永遠に続くアイドルになる事だというのが改めて提示された台詞であった。原作ソシャゲのCMで陸君が言っている「僕らは今、消えない虹なんだ」の「今」は刹那的な話でなく、その刹那を無限に積分した答えなのだろう。今存在している事で今後も存在し続けている事の証明になろうとしている。ソシャゲと言う事もあり、いつ些細な事故が重なったり他ゲームとの競合に負ける等、小説やアニメ以上に運悪くサービス終了してもおかしくない恐怖を抱えやすい性質があるのに、ロングスパンで走り続ける必要のある無謀すぎるテーマに向き合っている。

 この作品は外からの圧力や不満、内輪での不和など、殊の外アイドルアニメの中でもトラブルで話が回っていく作品なのだが、それらはけしてシナリオの癖で治安が悪いのではなく、そんな現実側の無謀さと同等の困難に出遭っても彼らアイドルは倒れずに活動し続ける事を強調したいのだ。勿論今までも消えないでいたいという話を散々していた事は理解していたのだが、今回改めて姉鷺さんの台詞のお陰でテーマと構造両方が噛み合う形で理解出来た(つもりでいる)。

 

 その上で、「IDOLiSH7というグループ名は最初の7人が分解する事無く一緒にいて欲しい」という紡ちゃんが込めたグループ名への願いの重さが余計に感じられるし、それと同時にナギが「陸」は大字で六の意味も兼ねているから自分が居なくなっても七瀬陸君が居ればIDOLiSH7は維持できると思ってる伏線貼って、KAT-TUNのKAは亀梨君のKA方式をやろうとしてるのをチラつかせるこの作品本気すぎる…ってなれる。