2301-03月期アニメの感想-1

 3か月おきの感想を書いているたびにtwitterの状況がどんどん悪くなっていって、いよいよtwilogも使えなくなってしまったのだが、そうするとこの大したことない感想すら書くのが結構大変になるから今後どうしようかな…。

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・HIGH CARD

 なんか特殊なトランプを持つことで異能力が使えて、なんかそのトランプを持つ王家に仕える集団が、なんか同じくトランプを持つ敵と戦う話。「なんか」という言葉を連発してるのは見ていても全然設定が分からなかったから、というのが正直な感想…。必要な説明の半分も語られず雰囲気で話が進んでいったように思う。
 最低限、王家からピノクル上層部に指示を出してる所を見せて組織間の関係性を把握させるとか、組織に属さない野良カード使いがどれぐらい居るのかとか、かなり後半で出てきたのに作品の肝になっているエクスハンドで出来る事・そのリスクの大小の説明とかは必要なんじゃないだろうか(「エクスハンド」がただカード複数枚あれば出来る事かと思ったら数字を揃えで役が必要な事も8話の初出から10話まで放置だった。なにかトランプゲーム用語なのかと思ったら造語のようなのでイメージも難しい)。
 これは本当に最低限で、もっと言えば9話でいきなり既に王家にテロが仕向けられてる所からスタートしたけどこれが最終話まで引っ張る事件ならそんなとある日の出来事みたいな入り方しない方が良いのでは…とか、10話のクリス父の描写を見る限りエクスハンドしてもカードはその場に残るんだからむしろカードは回収しやすいのにピノクル上層部は見限ったはずのクリスが能力を使う事をなぜ止めようとしてたのかとか、逆にクロンダイクはなぜクリスにエクスハンドさせようとしてたのか等の説明も欲しい…。クロンダイクは敵側なので意図は後で語っても良いがエクスハンドさせる事で何がしたいかぐらいはほのめかしてもらえないものか。
 そもそもクリス父が5のフォーカードでエクスハンドして命を落とし、その場にカードも残ったのになぜまた野良カード使い等の所にも5のカードが渡っているのか…、カードの数字の大小で効果の強さも決まるという割にクロンダイクのバカな刺客が持ってた金属を自在に操るクローバーの2の能力強すぎるだろ…、とか本当に無限に気になる所が出てくる。まあこれらの不満点も本当に全て説明してないわけでなく自分が聞き逃してる所もあるとは思うが。
 そんなアニメだが、それでもバディダディーズよりはフィンとクリスがバディしてた所は良かった。あと何よりもずっとアクション・エフェクト作画がカッコ良かったなあ。

 橋本敬史さんの名前がエフェクト作画監督に載っていても、アニメの制作過程の都合上、先に元となるコンテと原画による一定の動きと尺が決まってしまう事が殆どなだけに、中々画面にその影響を強く感じられるテレビ作品は数少ない印象なのに、この作品では全話に渡って気持ちいいエフェクトが見れた。作画監督自体は常に十数人とかで分担してる大変そうなスケジュールだったのに謎だ…。

・コタローは1人暮らし

 2022年10月よりNetflixにて配信開始だったが今期テレビ放送してたのでその感想を。幼稚園児が1人暮らしするという設定に全然違和感を抱かないのは絵柄にしろ生活描写にしろ丁度良いファンタジーっぽく見せられていたからだろうか。しかしパッケージのそのファンタジーっぽさは完全に世を忍ぶ仮の姿で、幼いコタローが一人で暮らしてるんだから大変な事情があるに決まってるだろーがという開示を筆頭に、どんどん劣悪家庭環境の子供たちが出てくるので緊張感があった。BLUE REFLECTION/澪に負けてない。
 最初は幼いながら悟りを開いてる子供が社会生活に苦しむ大人に正論で諭す作品なのかと警戒したが実際はその逆で、家族に捨てられたと言ってもおかしくないコタローが今も家族と仲直りするという理想を一番信じ続けていて、周りもその純粋さに影響を受けて姿勢を正す作りなのが良かった。
 最終話が特に良くて、狩野がコタローのために墓掃除を手伝う中でコタロー母の死を知る事になる流れが自然だし、コタローに嘘をついてでも母の死を隠す事に決めたのが前述の通りコタローの純粋さを尊重したがゆえの覚悟を感じる決意で、最終話らしい引き締まり方だった。

・吸血鬼すぐ死ぬ 2

 1期に続いて素晴らしい安定性。安定と言ってもずっと高止まりの面白さをキープしていて、毎週腹を抱えて笑えるギャグを繰り出してくるので最高だった。
 1期よりも更にキャラが増えたが、既存キャラの持つ厄介さと増えたキャラの持つ厄介さが無限に組み合わさって次々に相乗効果が生まれており、原作ストックがある限り永遠に続けられそうだ。強烈なツッコミどころのキャラも居れば、なんか微妙にズレてるようなキャラの捉え方も終始的確で、「わやわやしてる」というツッコミが頭から離れない。「ふわふわ」よりも当人が意図的に誤魔化してる感じの言葉としてこれ以上無いワードセンスだったように思う。
 2期は1期に輪をかけて下ネタが多く結局皆ちんちんが大好きなんやと結論付けようとしたが、これはつまり安易な下ネタでゲラゲラ笑ってしまうぐらい見ているこちらのガードを下ろす事に成功した作品の実力の高さよなあ。
 ヒットしたこともあってか、1期以上に作画・演出リソースにも力が入っているように思われた。特にOPの作画が本当に良い…。

 OPの作画監督吉松孝博さんの絵がめちゃくちゃ好きだなあ。勿論原画陣からして他アニメの作画回でも活躍する上手い人ばかりだし、総作画監督として中野繭子さんの修正も入ってるんだけど、若干の輪郭の丸みと、少ない線でも強烈に感じる立体感は他の作業者を経由しても貫通してくる吉松さんの特徴なのかなと思っている(あくまで他作品とかも含めた画面から判断してる事なので、大間違いしてる可能性もあるけど)。アニメーションとしての動き自体も良いし、止めて見ても1枚1枚の絵が本当に素晴らしい両立をしている…。

ヴィンランド・サガ SEASON2(1クール目)

 1クール内でも色々節目があったが2クール目に続くからまあ細かい感想は省いておくとして、今一番美術が素晴らしいアニメだからみんなもそこに注目しよう!という紹介だけに留めておく。

 1クール目ラストである12話では、話の大きな転換点を感じさせる予兆を空の時間変化で見せていたが、スタッフも美術の素晴らしさを信じて全部任した!と言わんばかりに背景オンリーのカットが多用されていて良かった。撮影で光も足されているが、美術の素材作成段階でしっかり光を意識した色味で描かれていて美しい…。

・虚構推理 Season2

 1期に比べて凄く見やすくて面白かった。何がどう良くなったかはあんまり分からないし単に2話から始まったシリーズの雪女が可愛かったから引き込まれた、というのが大きいだけかもしれないが。
 何となく人間だからこういうキレイな筋書き通りじゃないけど想像の範囲内の行動も取るよねという遠回りな推理で外堀を埋めてるのに、今何の話をしてるか分からなくならないのが見事だ。普通?の推理小説で犯人が追い詰められる時にこういう場合もあるじゃないか!って言い逃れようとするのを推理する側がやってるというか。

・犬になったら好きな人に拾われた。

 細かいことは抜きにしてシチュエーションを重視で楽しむタイプのエロコメディ、と言えばそうだけど細かいことを抜きにするにのはちょっと無茶だな…?というシチュエーションと展開のぶっ飛び方をしていた。無料公開してる分の原作初期の所を読んだらアニメ程の違和感はなかったので、まあアングルに制限がありつつ断続的な漫画の流れを一連のアニメにするのはかなり大変だったんだろうという事で納得した。
 偉いもんで継続して見てる内に無茶なシチュエーションもハイハイとこっちが流せるようになったのだが、それはさておきこのシチュエーションが物凄く刺さって興奮した癖(へき)の人は居たんだろうかというのは気になる。

・クールドジ男子(継続2クール目)

 2クール目も面白かった。1クール目ラストの瞬の話のように2クール目ラストの軸となっていた蒼真のデザイナーという夢のために悩む話も、自分のドジに自覚的であるが故に自信の無さを抱えているというのが良い。個々のキャラクターの掘り下げが進む事でクールドジという属性的な一般性が途中薄まっていたが、自分の人生の経験則から来る不安という事でまた視聴者の共感出来る属性の話に帰ってきていた。
 あと、クールドジ男子たちはしっかり可愛かったのと同時にモブ女子もどれもめっちゃ可愛かったのも後世に残しておきたい。今千秋監督作の女子キャラ、好きだなあ。

・とんでもスキルで異世界放浪メシ

 よくあるチートスキル系異世界満喫作品だけど、MAPPAが作るのは意外だった。流石に作品の肝となる料理描写が凄い。とはいえ、ネットスーパーの能力を使って購入した日本の食べ物の方がステータスアップする特殊効果も乗って便利で美味しいとなると、現地の食べ物の魅力はそれに劣るものなんじゃないか…と思いながら見てしまっていた。調理法も鳥類だから唐揚げ、豚っぽいからトンカツとか選んでるけど真に最適な調理法なのだろうか?と思わなくもない。
 ストレスフリーで話の流れに違和感もなく、見てる間は特にそういったことは思ってなかったのだが、いざ思い返すと食事以外も何でも主人公にとって都合の良い状況が一極集中するので、スイが可愛い以外はどういった所に注目したら良いかフワっとしてた気がする。
 最終話は着地らしい着地が無いまま終わってしまった。まあ確かに悠々自適な暮らしをする作品なのだから他の作品と同じくお決まりのように現れた強敵を倒して達成感を得なくても良いとは思うが…。それはさておき話が一区切りついた感は欲しかった。

・ノケモノたちの夜

 ウィステリアを筆頭に人間が何かを失いながらそれでも彼女たちが持つ強さや気高さを示す作品なので非常にお辛い展開が続く…。しかしその辛さから逃げない姿勢が凄く真摯で非常に面白かった。1話からしていきなりグッと掴まれた。逆に力そのものが強く恐ろしいはずの悪魔たちは積極的にギャグ要因となって可愛い崩し顔で描かれる事が多かったのもバランスが良かった。

 (終盤超感覚みたいなものに目覚めてはいたが、)目が見えないウィステリアはその場の状況が分からず周りに尋ねる→教えてもらってまたリアクションするって流れが当然頻繁に発生しても、それが段取りめいて無いし、尺が間延びしてる感じも無かったので上手い。
 この作品のOPもかなり好きで、歌詞や曲自体の作品解釈は勿論作画やコンテも良いなーと思うが何より撮影がめちゃくちゃ好みだ…。1カット目からして画面ボケの掛け方が美しい…。

・人間不信の冒険者たちが世界を救うようです

 タイトルこそ世界を救うと大きく出ているがアニメの範囲はもっと小さなスケールの話で、過去の過ちや悔いに対して自分がどう向き合って立ち直るかをずっとやっていてそれが非常に面白い…。めちゃくちゃシナリオとコンテが良いアニメだったと思う。

 まだ4話で、これまでタイトル通りの人間不信具合を丁寧に描いていて、チームを組んでるメンバー間であっても距離を取っていた状況なのに極限状態ではこの行動に出れる、それも主人公でなく別のメインキャラが…、という時点であまりにも強かった。

・転生王女と天才令嬢の魔法革命

 ディオメディア×渡航先生シリーズ構成作品4作目。同じ座組の前作・異世界薬局を見た時に、最後駆け足気味になってしまったがそこに至るまでは良かったので次は最後までまとまってるヤツを期待したいなあという感想を抱いたのだが、今作も序盤の丁寧さに比べて終盤はなんかバタバタっとしていた感じで、そういう作家性なのではとちょっと思いつつもある。
 まあ主人公・アニスが人格乗っ取りのようなタイプの転生である事に自覚的であり、その悩みも含めてユフィが受け止めてくれて恋愛感情にまで至った、というのは良かった。ただやはり中盤から終盤手前までの話でアニスの弟・アル君があまりにも報われない終わり方だったのがなんとも納得が行かないまましこりとして残ってしまった。
 とはいえ話に不満こそあれどアニス対アル君戦の9話は作画も撮影も声優さんの演技も凄く良いものが見れたし、全話通じて非常に透き通った綺麗さのある画面のルックは好みの作りであった。最近のアニメの流行りだと主線自体に撮影効果を掛けて特定の画材風のタッチにしたり、主線を黒では無い彩度の高い色にしたり、塗りの面にグラデーションを付けたりというものも多いが、この作品ではキャラにそれらの処理をあまり掛けることなく、ノーマル色と影・ハイライト色に明暗が出るような色のチョイスや撮処理を施していて綺麗だなーと思った。
 ↑の説明は自分でも上手く出来ている気がしないが、寄りでも引きでも画面を見た時に主線の黒や影色による境界がくっきり目立つのが良かったなという感想。

・テクノロイド OVERMIND

 これもシナリオが良かった。ざっくり言うとアンドロイドが人間と触れ合って「これが人間の言う心…?」と気づく、めちゃくちゃありきたりなモノな気がするのに1つ1つの感情の学び方が凄く丁寧で説得力があった。人間のエソラ君もメインキャラに居るが基本はKNoCCの4人が自発的に気づく流れなので、他の作品よりもアンドロイド側の視点から心について学んでいたように思うのが良かったという事だろうか。
 アンドロイドとはいえ見た目は少年が人間にボコボコにされたり、逆にアンドロイドに優しくしたおじさんは謀略のために殺されるなど等、描写に躊躇が無く踏み込んでる所も人間とアンドロイドとの違い・双方の歩み寄りをしっかり際立たせる効果を持っていたと思う。決戦前の和解にて、「だってエソラのこと心から大好きだから!」という台詞が出てくるのが非常に良かった。

 それはさておき、10話でエソラ君とKNoCCとの関係の真実が語られたが、博士がエソラ君の実の父親じゃなかったとか、KNoCCが実在の人間をベースに作られたとか以上に、年の離れた若い女性助手に恋して自分の脳内ではかなり上手く行ってると思ってたのに実はその子に結婚する彼氏が居る事をなーーんも知らなかったオッサン研究者が居たというのはやたら悲しい出来事だったな…。

・トモちゃんは女の子!

 1話序盤の段階では、どう見ても性別分かるだろという女の子の事を勘違いする無茶な鈍感主人公の話かと思ったが、関係性を壊したくなくて踏み込めない話であった。淳一郎がようやく覚悟を決めたと思ったら今度は、トモはトモで恋人になるにはこれまで通りのままの友達の距離感でいる訳にはいかない・関係性を壊さないといけないという形式や役割に縛られていた逆転が起きたのが綺麗だ。
 8話Bパートは勿論、10話のスペシャル男子EDもフレーミングの上手さやアイデアフルな画面で通常の女子EDより好きなぐらい絵コンテ・演出の駒宮僅さんのセンスの高さには脱帽だったが、わざわざ変名でお仕事してるという事は他所のスタジオや作品で拘束されているはずなのに仕事をしているのかなと思って、そっちの会社の人が損してないだろうかという事を心配しなくもない。

・もういっぽん!

 1話から、中学で柔道を辞めるつもりだった子やその部活仲間、他校の対戦相手、果ては柔道部ですらない剣道部員などメイン4人が様々な立場なのに全て主人公の未知とその未知への想いを軸に据える事でキャラがバチバチに立っていて上手かった。要となる柔道描写もPANによって勢いとテンポを殺さない描き方と作画で激しく組んでいる描き方を的確に使いこなしていて素晴らしい。作画アニメとして海外ファンからの反響が回ってくるタイプの作品だとは思ってなかった。
 大会も勝ち抜き形式というのが仲間同士で一致団結して思いを繋ぐ構成と非常に相性が良く、青葉西もその対戦相手も必死な思いで柔道に取り組んでいるキラキラした青春の爽やかさが伝わって来た。チャンピオン連載作で自分のツボにハマるスポーツ漫画は、チャンピオンという名を冠する雑誌でありながら、実力的には強豪と呼べないチームや選手も必死な想いで一矢報いようとする所を特に熱く描ける作品が多いが、もういっぽんもその類の名作だった。

異世界のんびり農家

 万能農具というチートアイテムが単に農具としてパワフルなだけでなくなんか自然の摂理を超えてイメージした作物を生やせるとか、農具じゃない槍を作る事も出来るとか、次々従順なヒロインばかり現れて男は主人公以外動物のオスか男でも一般的な人間型で無いリザードかまだまだ幼い子供しか村に加わらないとかあまりにも都合が良すぎて、作品の受け手の事をショックに耐えられない物凄く弱い存在と思ってるんじゃないか…?という疑問を常に抱えていた。
 果ては、散々女性陣からアプローチされても深く考えないでおこう…とスルーしてた描写ばかりだったのにしっかりルーが妊娠して、それでもマチオもしばらくどういう事か分かって無さそうだったのが怖すぎた…。妊娠したんですよと言われて次回に引いた時点では、受け手に対してめちゃくちゃ過保護なこの作品の事だし、手なんか出してないので妊娠は勘違いだったぐらいの展開をやるかと思っていたのに、まさか過程に全く触れずに話を進める程に突き抜けて過保護だったとは…。親みたいな存在のヴァンパイアの始祖がやって来て会話していたが、描写を過保護にしすぎたせいで逆にやらしい感じが増していたのでまた笑った。

 徹底して話は変だったが、絵はやたら安定していて作画のクレジットもすっきりした人数だったし、ワイン作りのために歌いながらブドウを踏むシーンでめちゃくちゃ大変そうな作画を丁寧にこなしていた点が良かった。

・シュガーアップル・フェアリーテイル

 鈴木洋平監督、キャラクターデザイン飯塚晴子さん、サブキャラクタ―デザインとして古木舞さんまで構えてるといった個人的にかなりツボなスタッフ陣による女性主人公作品、という事で始まる前から期待が大きかった。期待通りの内容で、主人公・アンが可愛い~…。

 テンション高く表情豊かな姿も、いじらしい姿もどちらも最高。ただ、この作品は乙女ゲーでは無いので、OPEDにズラリと並ぶイケメンたちが全員アンに好意を寄せる味方という事も無く、シャルとミスリル・リッド・ポッド以外はあまりはっきりとしたアンの味方が居ない。そのせいでアンの嬉しそうな姿を見られる頻度が少なかったのは勿体なかったな…。
 味方が居ないというかむしろあまりにもアンの敵やアンに降りかかる苦難が多すぎる作品で、その結果、苦難を与える筆頭のジョナスが憎むべき相手を通り越して名物ヴィランみたいに活躍を待ちわびるキャラになっていたのはある種作品独自の味になっていた。

 散々アンに迷惑を掛けといて、最終的にはおじに別件の犯人だと勘違いされて破門。凄いキャラクター設計だった…。

・冰剣の魔術師が世界を統べる

 今期イチの怪作。序盤に芸人のフレーズを利用したりと中々クセの強いギャグを飛ばしてきたと思ったら、OPED、さらには予告までもが一話一話の作品内容の一部であると捉える編集の仕方や音楽の使い方が中々他では見ないカッコいい演出になっている。監督自ら音響監督もやっている影響が大きそうだ。

 話が進んで明かされたレイの過去を経る事で、突飛なボケの数々は「作品のギャグシーン」としてはシュールであっても、レイの望む平和な日常のためのピースだと分かるというキャラクター自体の尊さに繋がるのも素晴らしい。
 この作品とはなんら関係無いが、漫画「ハイキュー!!」では主人公のライバルである影山が圧倒的な正攻法の力強さだけでなく相手を躱すための型に嵌らないテクニックも持ち合わせている事に対して「強いって、自由だ」と評されていた。このアニメを見ているとそのシーンを思い出す事が何度もあり、まさに自由自在な作品だったと思う。

 サブキャラだろうと画面奥に居ようと、こうしたこの世界に生きている人間たち全員に気を配る素晴らしさがとても良かった。

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 ツイート引用しすぎたせいかページを開く時にやたら重くなるので分割する事にした。大体ここまでで文字数的には半分ぐらいなのでpart2へ続く。